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BE KOBE

神戸大学 理学部化学科 

齊藤弘樹 SAITO Hiroki(高74回)

 

 私は、化学科の 4 年生で、ペプチドを用いたレアメタルやレアアースの回収の研究を行なっています。いきなり理系用語が飛び出しましたが、できるだけ簡単に説明するので少しお付き合い下さい。

 我々の体は、糸のようなものが繊維のように折りたたまれて、各臓器が形成されています。私の研究は、その糸の短いバージョンである、ペプチドを用いて、産業廃棄物に含まれるレアメタルやレアアースを回収することを試みています。この研究が成功すると、政情が不安定な外国に頼ることなく、希少金属を国内でリサイクルすることができ、より日本経済が成長します。それだけでなく、ペプチドという、環境に優しいものを使用している為、酷暑ともおさらば出来る可能性があります。こう聞くと、とてもロマンがあるように聞こえませんか。 研究は、人類未到の領域に足を踏み入れる行為で、成功よりも上手くいかない事の方が圧倒的に多いです。しかし、「失敗は成功のもと」ということわざがあるように、上手くいかなかった結果が、次の実験に活かされます。もし、私の代で上手くいかなかったとしても、次の世代が私の結果を踏まえ、新たな研究を行ない学問は進歩していきます。理学の研究は、基礎研究であるため、50 年後の将来に活かされる研究だと言われています。

 これまでのキャンパスだよりに寄稿された諸先輩方のように、輝かしい生活ではなく、地味なキャ ンパスライフではありますが、私の研究が 50 年後の技術者に使われ、子ども達の世代がよりよい未来となるよう、健康第一で日々研究に邁進したいと思います。