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人の想いが故郷に燈を照らすことを信じ続ける

岩瀬 直人 IWASE Naoto (高67回)

 

■現職

一般社団法人イドウラボ 代表理事

関東富山県人五箇山会

キトキトラボ 副幹事

AI導入支援を手がける東京の企業に勤務

東京の企業で働きながら、南砺市で公共交通の実証実験に取り組み、同郷の仲間が集う県人会でも活動しています。「育った場所から選択肢が失われるのは寂しい。できることから少しずつでも力になりたい」そんな思いを軸に、東京と富山で活動をしています。

■故郷との再会

 

南砺市上平地域の出身です。家業は合掌造り集落を訪れる国内外の観光客をもてなす仕事で、子どもの頃から手伝ってきました。

 

県人会との出合いは学生時代。東京・文京区の寮「石川富山明倫学館」に住んでいた頃、近くの白山地区に東京富山県人会連合会の事務局がありました。同じ五箇山出身の東豊昭さんとのご縁で行事に呼ばれ、手伝ううちに、就職後も自然と関わり続けるようになりました。

 

今は関東富山県人五箇山会の一員として、こきりこや麦屋節といった五箇山民謡を、有志とともに各種イベントで披露しています。「東京で多くの人に五箇山の魅力を伝え、“知る・訪れる・住む”きっかけをつくりたい」── それが活動の原動力です。

 

■地域交通への挑戦 ~地域に新しい交通の形をつくる~

 

人口減に直面する故郷の交通課題にも向き合っています。数年前から、南砺市で公共交通の実証実験を行う一般社団法人「イドウラボ」に参加し、現在は代表理事を務めています。

 

目指すのは「地域に新しい交通の形をつくる」こと。地域・観光の両面で持続可能な公共交通の姿を探るため、国や県の実証事業を、地域に暮らすパートナーと一緒に進めています。地元と駅をつなぐバスのおかげで遠方の高校に通えた自分自身の経験も、原動力のひとつです。

 

「高齢者も子どもも、移動手段がなくなれば暮らしの選択肢が狭まってしまう。自動運転技術の急速な進化も見据えながら、地域の皆さんの声を聞いて事業を企画していきたい」と考えています。

 

■東京から、故郷と関わり続ける

 

大学進学を機に東京という場所を選び、今もここで働いています。でも、一度土地を離れたからといって、故郷にまったく関われない── そんな時代ではなくなりました。

 

さまざまなテクノロジーが登場し、同じ時間でできることは、確実に増えています。やるべきことをやれば、可能性が大きく広がる。実際に私自身、東京にいながら、地元の街づくりを地元のパートナーと一緒にやらせていただいています。会社勤めと複数の活動を両立できているのは、続けるなかで出会えた仲間と、AIなどのテクノロジーが、それを可能にしてくれているからです。

 

だから、どこにいても、何をしていても、自分が思いを持つ事柄に向き合い続けることはできる。私はそう実感しています。

 

■最後に

 

最後に、皆さんに伝えたいことがあります。

 

大事にしていることを、細くてもいいから行動にしてみてください。そうすると、不思議と応援してくれる人が現れます。私自身、まだ何かを成し遂げたわけではありません。けれど、続けているうちに、それが誰かの後押しになり、「一人ではなく、みんなで取り組もう」というチームが少しずつできてきました。

 

今、大事にしていること。あるいは卒業を機に、新しく大事にしたいと思えるものが見つかったとき。── どうかそれを、就職をきっかけに手放さないでください。続けてほしいんです。

 

その積み重ねが、いつか皆さんの人生を照らし、日本を照らす大きな燈になると、私は信じています。